なぜホテル業界は属人化しやすいのか
ホテル業界で働いていると、
「この人しかできない仕事」
がかなり多いと感じます。
例えば、
- 残室調整
- 団体管理
- レベニュー設定
- 発注業務
- 予約調整
などです。
属人化すると、その人が休んだ瞬間に現場が止まります。
ホテル業界は人が定着しにくい
まず大きいのは、ホテル業界は人の入れ替わりが多いことです。
ホテル業界には、
「転職して年収を上げる」
という文化がかなり根強くあります。
そのため、異動や退職も多く、人が定着しづらいと感じています。
すると、教える側もだんだん疲れてきます。
せっかく教えても、また異動や退職でいなくなる。
これが続くと、「教えること」自体が面倒になっていきます。
マニュアルを作っても追いつかない
もちろん、
「マニュアルを作ればいい」
という意見もあると思います。
その通りです。
ただ、ホテル業界は変化も多いです。
- PMSの変更
- サイトコントローラーの仕様変更
- OTAの仕様変更
- 運営方針の変更
- 前職のやり方を持ち込む転職者
などにより、せっかく作ったマニュアルがすぐ古くなることもあります。
さらに、人によって得意不得意も大きく違います。
結果として、
「今できる人の頭の中だけで仕事が回る」
ようになってしまいます。
実際に困った属人化
私が実際に困ったのは、
「残室調整」
の属人化です。
残室調整とは、簡単に言うとホテルの在庫管理です。
この調整を間違えると、
- 部屋が余っているのに販売されない
- 本当は満室なのに販売される
- オーバーブッキングが起きる
など、大きなトラブルにつながります。
残室調整は、売上にも現場の安心感にも直結する重要な仕事です。
残室調整については、こちらの記事でも詳しく書いています。
ルールが見えないと誰も触れなくなる
私が担当していた時は、残室調整のルールを作り、見える場所に共有していました。
例えば、
- 特定客室タイプはマイナス1で調整する
- アロット返却前は一定数を確保する
- タイプオーバーはさせない
- 売り止め機能は原則使わない
などです。
なぜここまでルール化していたかというと、理由が見えないと誰も触れなくなるからです。
例えば、
「あれ?なんでここ売り止めになってるんだ?」
と思っても、理由が分からないと怖くて修正できません。
その結果、現場では、
「見なかったことにしよう」
が起きます。
属人化の怖さは、誰も触れなくなることです。
なぜ私は仕組み化したいのか
私は、問題が起きた時に人のせいにしたくありません。
人は必ずミスをします。
それは悪いことではなく、機械ではないので当然です。
だから私は、問題が起きた時は、
「誰が悪いか」
ではなく、
「なぜそうなったのか」
を考えるようにしています。
人を責めるより、仕組みを直す方が現場は良くなります。
業務改善については、こちらの記事でも書いています。
属人化が減ると休みやすくなる
属人化が減ると、まず休みやすくなります。
属人化している仕事があると、休みの前日に前倒し作業が必要になります。
また、長期休暇を取った場合、残された人たちが本当に困ります。
でも、ルールや手順が共有されていれば、ある程度は誰でも対応できます。
属人化を減らすことは、休みやすい職場を作ることにもつながります。
横展開もしやすくなる
仕組み化されていれば、他施設にも横展開しやすくなります。
同じグループ内で異動しても、やり方が同じであれば抵抗はかなり減ります。
ホテル業界は異動や転職が多い業界です。
だからこそ、
「誰でも分かる状態」
にしておくことが大事だと思っています。
偉そうにする人も減る
属人化が進むと、
「この仕事は自分にしかできない」
と言う人が出てくることがあります。
もちろん、本当に専門性が高い仕事もあります。
ただ、それが行き過ぎると、周りからは不満が出ます。
忙しい現場から見ると、
「あの人だけ裏でPC作業している」
ように見えてしまうこともあります。
そして人間関係が悪化し、また人が辞めていく。
この悪循環を減らすためにも、属人化は減らした方がいいと思っています。
最後に
ホテル業界は、人の入れ替わりが多く、属人化しやすい業界だと思います。
でも、だからこそ、
- ルールを見える化する
- 手順を共有する
- 人ではなく仕組みを見る
ことが重要です。
私は、ホテル業界には優しい人が多いと思っています。
だからこそ、優しい人が壊れないように、仕組みで守る必要があると思っています。
属人化を減らすことは、人を責めない職場を作ることだと思っています。


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