子供の頃は楽しみだった台風が、今は怖い理由

ホテル業界・働き方



子供の頃、台風は少し楽しみなイベントでした。

学校が休みになるかもしれない。

家族でトランプをしたり、テレビで台風情報を見たり。

でもホテル業界に入ってから、台風の見方は大きく変わりました。

今では天気予報を見るたびに、別のことを考えています。

「頼む、それてくれ……」

これがホテル業界で働く私の本音です。


台風が来ると予約が減る

ホテル業界で最初に起きることは、予約の減少です。

特に観光ホテルでは、台風の進路が報道された時点でキャンセルが発生します。

しかも影響は当日だけではありません。

  • 前日の移動を諦める人
  • 翌日の旅行を中止する人
  • 連泊予約をキャンセルする人

なども出てきます。

レベニュー担当としては、真っ先に売上予算への影響を考えます。

正直なところ、直撃を避けてほしい気持ちと同時に、報道が出た時点でキャンセルは発生しているため、どうせなら直撃した方が説明しやすいと思ってしまうこともあります。

台風が1日でも、ホテルの売上への影響は3日以上続くことがあります。


スタッフも家に帰れなくなる

台風で大変なのは、お客様だけではありません。

ホテルスタッフも帰宅できなくなることがあります。

翌日の出勤が困難になるため、ホテルへ泊まり込むケースも珍しくありません。

場合によっては相部屋になることもあります。

家族を家に残したまま勤務する人もいるため、精神的な負担はかなり大きいです。


現場ではトラブルが増える

旅行を楽しみにしていたお客様が、ホテルへ缶詰になることもあります。

飛行機や電車が止まり、予定が崩れる。

当然ストレスも溜まります。

一方でスタッフも疲労や不安を抱えています。

その結果、普段よりトラブルが増えやすくなります。

さらに台風では:

  • シーツ配送の遅延
  • 食材納品の遅延
  • 設備トラブル

なども発生します。

普段当たり前に届いているものが届かなくなるだけで、ホテル運営は一気に難しくなります。


今でも忘れられない停電

私が経験した中で一番大変だったのは、大型台風による長時間停電です。

停電すると:

  • インターネット停止
  • エレベーター停止
  • 客室トイレ停止

など、様々な問題が発生します。

私は懐中電灯を持って非常階段に立ち続けていました。

お客様も不安と不便でイライラしています。

その話を聞きながら、他のスタッフのケアもしながら、ほとんど眠れないまま二日間を過ごしました。

あの時ほど「電気がつくこと」「水が流れること」のありがたさを感じたことはありません。


お客様へお願いしたいこと

まず一つ目は、予約サイト経由で予約した場合のキャンセルについてです。

台風が近づくと、ホテルへ直接キャンセルの電話をいただくことがあります。

しかし:

  • じゃらん
  • 楽天トラベル
  • Agoda
  • Booking.com

などの予約サイト経由の場合、ホテル側でキャンセルできないことが多いです。

なぜなら、お客様はホテルではなく予約サイトと契約しているからです。

お手数ですが、予約したサイトからキャンセル手続きをお願いしたいと思います。

そして二つ目。

ホテルスタッフも皆さまと同じように不安を抱えています。

家に帰れない。

家族が心配。

自分も台風が怖い。

それでも勤務しています。

もちろん仕事ですから責任はあります。

ですが、少しだけ優しく接していただけると本当にありがたいです。

台風の日に優しく声をかけてくださるお客様は、本当に神様のように見えます。


最後に

私は今でも台風の日のシフトは避けたいです。

できることなら家にいたいです。

でも振り返ると、停電対応を一緒に乗り越えた仲間とは今でも交流があります。

大変な経験でしたが、チームの絆が生まれた出来事でもありました。

こういうイレギュラーな時に、どれだけ周囲を助けられるか。

それが後々の信頼やキャリアに繋がることもあると思っています。

台風は嫌いです。でも、困難を乗り越えた経験は必ず自分たちの力になります。

ホテル業界の皆さま、怪我だけには気をつけて、この台風シーズンも乗り越えていきましょう。



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