ホテルのADRを上げる時に、最初に失敗した話
ホテルのレベニュー業務をしていると、
「ADRを上げろ」
と言われることがあります。
ADRとは、簡単に言うと:
「客室平均単価」
です。
最初の頃の私は、かなり単純に考えていました。
「高く売ればADRは上がるんでしょ?」
と。
でも実際は、そんなに簡単ではありませんでした。
今回は、私がADRを上げようとして最初に失敗した話を書いていきます。
私は最初、「高く売ること」がレベニューだと思っていました。
そもそもADRとは?
ADRとは:
「売上 ÷ 販売室数」
で算出される、平均客室単価です。
例えば:
- 10室販売
- 売上10万円
なら、ADRは1万円になります。
つまり:
「どれだけ高く売れたか」
を見る数字です。
最初は“高く売ればいい”と思っていた
レベニュー担当になったばかりの頃、私は:
「料金を上げればADRも上がる」
と思っていました。
極端な話、100室ホテルで1室だけ5万円で売れば:
ADRは5万円
になります。
でも当然、それでは:
- 稼働率
- 総売上
が取れません。
そして普通に怒られます。
ADRだけ高くても、ホテル全体が売れていなければ意味がありません。
高すぎると、そもそも選ばれない
ホテルは:
- 競合比較
- 立地比較
- 口コミ比較
で選ばれます。
つまり、競合より高すぎると:
「選ばれない」
のです。
すると:
- 予約入らない
- 稼働落ちる
- 直近で焦る
という流れになります。
私は最初、この:
「価格と稼働のバランス」
をかなり甘く見ていました。
大事なのは“いつ売るか”だった
レベニューをしていて気づいたのは、
「いくらで売るか」
だけではなく、
「いつ売るか」
もかなり重要だということです。
例えばホテルによって:
- 直前予約型
- 早期予約型
- イベント依存型
など、予約の動き方が違います。
つまり:
「エリア特性」
を理解しないと、料金設定を外します。
掲載順位もかなり重要だった
さらに重要だったのが:
「OTA掲載順位」
です。
例えば:
- 楽天トラベル
- じゃらん
- Booking.com
などでは、上位表示されるホテルほど見られやすいです。
つまり:
「見られなければ売れない」
のです。
スーパーでも:
- 平置き商品
- 目立つPOP
の商品が売れやすいですよね。
ホテルもかなり似ています。
「価格」だけではなく、「見られる位置」を作ることもかなり重要でした。
口コミ点数は本当に強い
そして実際かなり大きかったのが:
「口コミ点数」
です。
口コミが下がると:
- 予約率低下
- 掲載順位低下
- 価格競争
へ入りやすくなります。
逆に口コミが高いと:
- 高単価
- 高稼働
を両立しやすくなります。
つまり:
現場接客もADRへ直結している
のです。
一番怖いのは“設定ミス”
レベニューで一番怖いのは、やはり設定ミスです。
私も:
- 2000円販売
- 大幅割引
- 設定事故
を経験しました。
特に海外OTAは:
- 割引重複
- 会員割引
- キャンペーン
などが複雑です。
だから私は今でも:
- 設定後確認
- 夜間確認
- 現場共有
をかなり意識しています。
数字だけ追うと危険だと思っている
私は:
「数字だけ追うレベニュー」
は危険だと思っています。
理由は、現場疲弊が見えなくなるからです。
例えば:
- 売りすぎ
- 清掃負荷
- フロント疲弊
を無視すると、最終的に:
- 口コミ低下
- 離職
- 売上低下
へ繋がります。
レベニューと現場については、こちらの記事でも書いています。
最後に
私は最初、ADRを:
「高く売るゲーム」
だと思っていました。
でも実際は:
- 稼働
- 口コミ
- 掲載順位
- 市場
- 現場状況
など、かなり色々なものが絡みます。
だから今は:
「ホテル全体を見る仕事」
だと思っています。
レベニューは、「価格設定」ではなく、「ホテル価値をどう売るか」を考える仕事なのかもしれません。

